2020/12/03 17:06

トゥルーヴィルはパリから2時間ほど列車で揺られたところにある海沿いの高級リゾート地です。隣町にはドーヴィルというヨーロッパのお金持ちの別荘が並ぶ町があり、映画「男と女」の舞台にもなっています。


初めてトゥルーヴィルを訪れたときに駅の表示が「ドーヴィル/トゥルーヴィル」とあり、どういうことなの意味がかわからず、途中で列車が切り離されて行き先が変わるのかな?なんて思いながらパリを出発してからずっとドキドキしていたのはいい思い出です。

結局トゥルーヴィルに到着してわかったのですが、駅を境にして町が2つにわかれています。




1970年頃からポスターには写真が多用されるようになり、サヴィニャックの仕事も減少傾向にありました。また利益や効率を重視する広告代理店のやり方にサヴィニャックはうんざりしていました。


そしてパリ生まれパリ育ちで生粋のパリジャンだったサヴィニャックですが、1979年にフランス南西部ノルマンディー地方にある港町“トゥルーヴィル”へと移住しています。


サヴィニャックが移住してきたことをトゥルーヴィル市民は喜び大歓迎しました。そしてトゥルーヴィルの観光案内所のために2羽のカモメをモチーフにした旗をデザインし、その後も地元の商店のために多くのポスターを描きました。




この「トゥルーヴィルの旗」のデザインですが、背景色の鮮やかな水色が海や空を連想させてとても印象的ですが、2羽のカモメが口づけしていてとてもロマンチックじゃないですか?(以下は僕の解釈になりますが)トゥルーヴィルのビーチは夕焼けがとてもきれいで“ロマンチック”なんです!その2面性を見事に表現されたこのデザインは素晴らしいとしかいいようがないです!




「トゥルーヴィルに行ってみたい。いや、行こう!」と決心したのは2005年に発売された芸術新潮を買ったことでした。


特集はサヴィニャック、表紙があのモンサヴォンの牝牛でした。主に晩年の様子について書かれた原稿にはとてもキレイな海や、まぶしい青空の写真がサヴィニャックとともに写っており、とても印象的でした。単純に“旅先”として行ってみたいと思えるほど魅力的な場所でした。




トゥルーヴィルには2度ほど旅行したことがあるのですが、いずれも秋だったので、リゾート地であるトゥルーヴィルのハイシーズンには行ったことがありません。

ですが、観光案内所でサヴィニャック作品に触れたり、夕焼け空の下でプロムナードを散歩したり、レストランで魚介を堪能したりと素敵な思い出がたくさんあります。


もしトゥルーヴィルに興味がわいたのであれば、迷うことなく旅先の候補にあげていもらいたいなと思います。訪れた際には僕と同じようにリピートしてしまうこと間違いありませんよ。


今こうして原稿を書きながら、トゥルーヴィルの夏のビーチでのんびり過ごしている自分をついつい想像しちゃっています(笑




サヴィニャックが他界する1年前の2001年には海岸沿いに「サヴィニャック通り」と名前がつけられたプロムナード(遊歩道)ができました。

サヴィニャックの作品が歩道沿いにいくつも並べられていて潮風を感じながら気持ちよく鑑賞できる美術館のようです。


トゥルーヴィルにあるヴィラ・モンテベロ美術館にはサヴィニャックの銅像があり、

町中のいたるところでサヴィニャックのポスターや壁画を見ることができます。

トゥルーヴィルの観光案内所の横にはサヴィニャックの作品が多く展示されていて生前のインタビュー動画が流れています。


いかがでしたか?トゥルーヴィルに行ってみたくなりませんか?

以上サヴィニャックが愛し、サヴィニャックを愛した町、トゥルーヴィルのお話でした。